（株）賢祥堂美術 オークション
Gallery KENSYODO Auction |
サイズ（cm） 19.5×2.1
経年による古色が加わっています。
古陶磁研究家 宮下耕三氏が蒐集した銘品の一つです。
絵図は江戸中期に起きたお俊伝兵衛の情死事件、
並びにそれをモチーフとした歌舞伎・浄瑠璃を題材に描かれたもので、
それぞれ琴と三味線と歌本を表しています。
これは心中に赴く遊女 お俊の母が生業としていた手習いの道具であり、
その侘しげな様は、当時の庶民が感じた憐れみを映し出しているようです。
「瀬戸絵皿の美 石皿と油皿」に所載の品で、
カラー図版と共に、宮下耕三氏による大変熱のこもった解説が掲載されています。
氏は庶民芸術という観点から、
本品を油皿の白眉と見ていたように思われます。
油皿について
行灯皿とも言い、読んで字のごとく行灯に使用される油受けの皿である。
美濃・瀬戸の広い地域で制作され、それぞれに特徴的な風合いを持つ。
元々は手に持って歩く露地行灯に使われた素焼きの小さな皿が始まりで、
置行灯に変わるにつれ、皿も大きくなり、今日知られる形式に近づいていった。
江戸初期には丸型と角型が混在していたが、
丸行灯が増えるにつれ、それに適さず、またろくろを使わない角型の皿は量産も難しく、
江戸中期頃にはほぼ姿を消したようである。
丸型においては、小さく、縁の立ち上がりが低く細いものに古いものが多いようで、
時代が下るにつれ大きく、縁の立ち上がりは高く太くなっていったらしい。
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